お盆に提灯を飾りますよね。
提灯を飾るとお盆って感じがします。
でも、この提灯って習慣で飾っているけど、そもそもどんな意味があるのか、いつから飾るのか?など詳しいことがよくわかっていないって人も多いのではないでしょうか。
そこで、お盆の提灯の意味や飾り方、いつから出すのかを解説していきます。
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目次
お盆に提灯を出すけどどんな意味があるの?
お盆の提灯の意味は?
お盆の提灯はご先祖様をお迎えするときの目印なんです。
皆さんは暗闇でものを見ることができますか?
西の彼方にある西方極楽浄土(サイホウゴクラクジョウド)より、お盆にはご先祖様がお帰りなさいます。
そのとき、全くの暗闇ならばどこにいるのかわかりませんよね。
ご先祖様、こちらですよ!と指し示すために提灯は置かれるのです。
あのキラキラした飾りは美しいものですよね。
盆提灯はいつから始まったの?
昔は迎え火、送り火にして、家の前で火を焚いていました。
今でも地域によっては迎え火、送り火をする地域もあると思います。
江戸時代になってから、迎え火や送り火を提灯にして飾るようになり、これがお盆に提灯を飾る起源になっています。
ちなみに、盆提灯ではなく、提灯自体は記録として始めて歴史に登場するのは、応徳2年(1085年)です。
朝野群載(チョウヤグンサイ)という本の中に記載があります。
文章だけであらわされているので、提灯の形が今と同じであったかどうかはわからないようです。
江戸時代以前は天皇や皇族など身分のある方のもとで儀式などで提灯は飾られましたが、庶民が飾ることができたのは江戸時代に入ってからだろうと言われています。
お盆の提灯の飾り方は?
基本はご先祖様の目印にするという意味から、仏壇や精霊棚の目の前に置くということになります。
なので、精霊棚や仏壇の前に一対(2個1組のもの)置くというのが基本です。
(ちなみに精霊棚とは仏様をお祀りしてお供え物などをのせるためにしつらえた棚のことです。)
また、提灯が並んだ数だけ、故人となられた人がいかに人に慕われていた証とも言われ、数を多く飾る地域もあります。
精霊棚の前に一対が基本といいましたが、最近はマンション住まいなど広くないご家庭も多いので一対でなくても、1つだけ飾る家庭も多くなっています。
あるお坊さんに相談したことがあるのですが、提灯の数ではなくご先祖様を尊ぶ気持ちが大事と言われていたので、1つだけでも大丈夫だと思います。
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盆提灯はいつからいつまで飾るものなの?
盆提灯はいつから飾ればいいの?
お盆は地域によって7月に行う地域、8月に行う地域があります。
なんにしろ盆提灯はご先祖様の目印の意味があるので、お盆月(7月または8月)の12日の夕方か13日の朝にはだして、お盆が終わる17日以降に片付けたらいいです。
ただ、多くのご家庭では、お盆月に入ってから早い段階で飾られる家庭も多いようです。
このお盆提灯を飾る時期に地域差や各家庭でルールもあるようです。
7月のお盆に地域では、7月の初めから飾り始め、8月の初旬まで飾っていいとされる地域も多いようです。
8月のお盆の地域では、大体8月17日頃に片付けるとされますが、8月いっぱい飾っていても問題はないとする地域もあります。
その地域のルールに従えばいいでしょう。
もしその地域のルールがわからなければ、一般的にされている家庭が多いお盆月に入ってから盆提灯をだし、17日以降に片付けされたらいいでしょう。
大切なのは、ご先祖様を敬う気持ちですしね。
江戸時代はこんな期間を飾ることも…
江戸時代の書物によりますと、7月朔日(ツイタチ)から、8月5日または7日まで盆提灯が灯されたと記録にあります。
これは、7月の提灯はご先祖様のため。そしてそれ以降は無縁仏を供養するためとなっています。
お墓参りをすると、山のようなところに小さい仏様や墓石が細々とまつられているのを見たことあるかもしれませんが、あれが無縁様・無縁仏様なのです。
無縁様・無縁仏とは子孫が絶えてしまいもう誰もまつってももらえない方々の御霊のことを申します。
江戸時代の方々は、このようにして無縁様・無縁仏にも心を寄せて供養するという何とも言えない良い風習があったんですね。
また江戸時代やもっと前には、行き倒れという方も相当おられたのではないかとも思われます。
身元もわからずもちろん引き取る者のないまま葬られた人たち。
そんな人のことを昔の人は放っておいてはいけないと考えられたのかもしれませんね。
優しい日本人の一面であると感じてしまいます。
盆提灯の片付け方はどうするの?
お盆が終わりましたら、提灯は片付けなければなりません。
盆提灯は入っていた箱にお戻しになるのが一番良いです。
そのときに、お香などの防虫剤を入れてしまうことを忘れないで下さいね。
腐るものではないので、丁寧に扱うと毎年使えますので、大事にお使いください。
まとめ
お盆の提灯の意味と飾り方、いつからいつまで飾るのかを解説しました。
お盆に提灯を飾るというのは、ご先祖様が迷わずに帰ってきて下るための一大行事です。
ご先祖様も丁寧にまつってもらって、ここが家ですよと提灯をかざしてもらうと本当に嬉しいものではないでしょうか。
近頃、お盆というとすぐにレジャーだとばかりに出かけられる方々が当たり前になってきました。
長期で取れる休みもそんなにないということですし、仕方がない面もあります。
でも、せめて三日ある一日だけでも、盆提灯を眺めながら先祖さんがしてくれたこと、父や母が亡くなっておられたら、その恩をふり返る日にしてもらえれば、お盆もまた違って見えてくるのではないかと思います。
なかなか時間がない現代人だけに、そんな時間の使い方を少しでもしてもらえたらと新たな気持ちでお盆をとられることができますよ。
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