たぬきときつねの化かしあいなんて言葉にもあるように、たぬきときつねは化けるものだと思っている人は多いようです。
でもなんでそうなったのでしょうか?
たぬきもきつねも、普通の動物なのにね。
そこで、たぬきときつねが化けるようになった由来を解説していきます。
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たぬきときつねは化ける由来は?
たぬきやきつねが化けると言いますが、あなたはどう思いますか?
「いや、みんながそういうから・・・」なんて思ったり。
では、そんなたぬきやきつねが化ける話はどこから来たのでしょうか。
きつねやたぬきが化ける由来は?
実はこの話は、中国古代の神話から来ているものなんです。
中国神話の祖とされている山海経(せんがいきょう)という書物に、九尾狐狸(きゅうびこり)という妖怪が出てきます。
(この山海経は、中国の戦国時代から漢の時代にかけて編纂されたと言われています。)
「狐狸?」って思いますよね。
『狐』はきつねの漢字ですし、『狸』はたねきの漢字です。
そう、つまり今の言い方でいうときつねのことを、きつねたぬき(狐狸)と呼んでいたことになります。
この狐狸の話が日本に入ってくるときに、狐(きつね)と狸(たぬき)の別々の生き物にわけられて、それぞれが化かす存在になったようです。
話を中国の古代神話に戻しますと、狐狸は当初神獣(神の使い)だったのですが、時代の途中から人をたぶらかす妖怪になっていきました。
王の妃に化け、国をかたむけるなどしたと言われています。
それが、仏教とともに日本に伝わったのは飛鳥時代です。
この仏教は中国仏教と呼ばれるもので、本来のお釈迦様が伝えた仏教に中国の文化や宗教(道教)が混ざっているものだったので、色々な中国の風習が、当時の日本人の生活に影響を与えました。
そして、狐狸の話も一緒に入ってきました。
日本でも鳥羽上皇が玉藻前という化け狐(きつね)を法力でやっつける話も残っています。
ちなみに狸という字は?
ちなみに、この『狸』という字は中国では、たぬきのことを指さず、ヤマネコのことだったみたいです。
日本にこの字が入ってきたときに、ヤマネコという生き物になじみがなかったため、たぬきという生き物に当てはめたようです。
たぬきという言葉の語源は、死んだふり(寝たふり)をすることから『たまぬき(魂の抜けた状態)』だというところから来ているとされています。
また日本は日本で、たぬきという生き物は厳密に今のたぬきを指すものではなく、ムジナだったりアナグマだったりとあいまいな分け方をしていました。
(いまでも地域によってはムジナやホンムジナ・アナッポなど様々な呼び名があります)
それが次第に分類されていって、今の分け方になりました。
きつねやたぬきは太古の昔は?
では、その神話が日本に来る前までは(つまり仏教伝来までは)どうだったかというと、実はきつねもたぬきも神様だったのです。
もともと日本人は自然信仰の中で生活していましたので、海も山も身の回りの物すべてが神様でした。
当然山の神の中に住む動物たちも神の使いでありました。
八百万の神(やおよろずのかみ)といって、自然の事象や動物たちはみな人間に恩恵をもたらしてくれる神だったのですね。
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狐と狸が化ける話はいろいろある!
先ほど言いましたように、たぬきさんたちやきつねさんたちは、中国から伝わった伝説によって悪者になってしまいました。
化け狸・化け狐の話は、いまも日本各地に伝わっています。
道に迷ったらキツネにつままれたようだと言われるし、お金をもらったら葉っぱになってしまったとかもよく昔話で聞きます。
例えば、狐七化け狸八化けなどの言葉にあるように、タヌキのほうが化かすのが上手いようにいわれたりもします。
また、キツネは女に化けて男を誘惑しタヌキは男に化けて人間を馬鹿にする、などともいわれたりします。
でもなぜ化けるのかは、今もってわかっていません。
ただ悪く言う割には、神社に祀って手を合わせたりもするので、きつねさんもたぬきさんも「なんじゃそりゃ? 」って思われているかもしれません(笑)
最後に
きつねやたぬきが化かす由来について解説しました。
きつねもたぬきも見た目がかわいいですが、あまり人にはなれません。
人里近い場所に現れるわりには、あまり人になれません。
そんなところからもたぬきやきつねが化かすと思われたのかもしれませんね。
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